燃料費調整額の急上昇とEthereumのPoS移行で国内マイニングは終了か？

2022-09-172022-09-18仮想通貨

1. PoS移行
2. 燃料費調整額
3. ビデオカードの行方
4. あとがき

PoS移行

延期され続けてきた「Ethereum（イーサリアム）」の超大型アップデート「The Merge（マージ）」が2022年9月15日に完了。
仕様が大きく変更されてEthereumのマイニングが不可能になりました。
詳しくは「イーサリアム PoS」とかで検索してね。

今までのマイニングは「Ethereum（DaggerHashimoto）」を中心に動いていました。
それが終了してしまったのでマイニング界は大激変です。

私が使っているマイニングソフト「NiceHash（厳密に言えばマイニングではない）」は
「ETCHash（Ethereum Classic）」
「Autolykos（Ergo）」
「KawPow（Ravencoin）」
が追加され、初期設定が「ETCHash」に切り替わりました。
他のソフトやマイニングプールでもETCを追加したところが多いようです。
今後しばらくはETCが主流になると思われます。

試しにNiceHashでETCを24時間掘らせてみた結果はこんな感じです。
15日の途中でETCに切り替わり、16日は完全にETCでした。

今までは1日570円前後だったのが70円まで激減。
報酬が約1/8に。
ここから電気代（35/kWh）を引くと1日で-400円くらいの赤字です。

これはかなり厳しいというか、ここまで下がってしまうと今後の値上がりを期待するとかそういうレベルでもないし、完全終了ですかね。

燃料費調整額

電気代高くね？と思うかもしれませんが、電気料金の安い北陸地方以外はこのくらいまですでに上がっているかこれから上がるはずです。

最近、ニュースで「燃料費調整額」というのがよく出てきます。
これは「元々の電気料金とは別に加減される額」です。
今まではマイナスになることが多かったので気にする必要はなかったのですが、2022年2月ロシアのウクライナ侵攻で世界的なエネルギー危機になっています。
さらに歴史的な円安でエネルギー資源の輸入価格も上がっています。
その結果、燃料費調整額が急上昇しているのです。

これは「ENEOSでんき」の関東エリア燃料費調整単価履歴です。
去年、2021年10月分は「-2.04/kWh」だったのが、今年2022年10月分は「5.13/kWh」になっています。
2022年2月から急上昇しています。

今まではこの額に上限があったので5.13止まりだったのですが、11月以降は廃止・撤廃すると発表されました。
今後も世界情勢が安定しない限りは8円10円12円…と上がっていくと予想されます。
先行きは暗いです。

さらに「再エネ賦課金（再生可能エネルギー発電促進賦課金単価）」というのもあります。
これは毎年5月から翌年4月まで全国一律で決まっており、2022年は「3.45/kWh」です。
これも上がっていくと予想されます。

再生可能エネルギー発電促進賦課金（再エネ賦課金）｜電気料金プラン｜ＥＮＥＯＳでん

これらを合わせると、基本が「26.22/kWh」だったとしても燃料費調整額「5.13/kWh」、再エネ賦課金「3.45/kWh」が加わって合計「34.8/kWh」になってしまうわけです。
このまま燃料費調整額や再エネ賦課金が上がり続ければ38円40円42円…と未知の領域に突入してしまうわけです。

上のデータはENEOSでんきの関東エリアですが、他の電気会社も同じような感じになるはずです。
もしこの状況でもマイニングを続けるつもりの人は、自分が契約している電気会社のWEBなどで今の電気料金がどうなっているか、今後はどうなっていくのかを確認することを強くおすすめします。
すでに想像以上に高くなってるかもしれませんよ。