インターネットの速度が遅い時の確認事項
ネットが遅い原因は1つではなくて、いくつかあるのでまとめてみました。
大きく分けると「回線部分」と「機器部分」です。
この記事では光回線(NTT東西のフレッツ光)と無線LANについて書いています。
ADSLや携帯回線など、他の回線では違う部分もありますが、共通する部分もあるので読んでみてください。
特に無線LANの部分は速度低下のネックになりやすいですよ。
光回線の基礎知識
ほとんど人はNTT東西のフレッツ光だと思います。
このフレッツ光ですが、実は他の人との共有回線です。
自分専用ではありません。
最大で32分岐だと言われています。
共有回線なので、同時に使う人が多いと遅くなります。
夕方過ぎから混み始め、22時前後がピーク。
26時あたりからまた空き始めます。
早朝の4時くらいが一番空いているんじゃないかなーと思います。
これは道路をイメージするとわかりやすいです。
例えば、最高で100キロ出せる道路があるとします。
早朝など誰も居ない時は100キロで走れるでしょう。
通勤や帰宅時間はどうでしょうか。
渋滞で20キロとかです。
連休やお盆など、ニュースになるくらいの大渋滞では10キロ以下です。
最高速度に関係なく、人が多くなれば遅くなってしまうわけです。
速度チェックサイト
インターネットの速度を計測するサイトは色々ありますが、そのサイトでも同じことが起こります。
夜は混雑するのです。
そのため、安定しなかったりします。
さらに、使われているのは今となっては古いシステムで、100Mbps以上の高速回線には対応していなかったりします。
そこで、オススメの速度チェックサイトを2つ。
「Fast.com」はNETFLIXが運営しているので安心安定です。
結果画面から設定を変えて全部にチェックを入れたほうがいろいろな情報がわかります。
「DSLReports Speed Test」はHTML5を使っているので、何かをインストールする必要はありません。
モバイルからでもチェックできます。
測定サーバーはAmazonのサービスを使っているので、回線も大丈夫でしょう。
アカウントを作れば記録を残しておくこともできます。
「Gigabit/Fiber」「Cable」「Wi-Fi」などを押せば測定開始です。
このページでは「DSLReports」の測定画像を使っています。
プロバイダーの変更
ほとんどの人はこれで解決します。
はじめにも書きましたが、回線の混雑で速度は変わってきます。
Aのプロバイダーは空いているのに、Bのプロバイダーは激混みという場合があるのです。
早朝や昼間は大丈夫なのに、夜だけ遅くなる場合はこれが原因の可能性が高いです。
例えば、BB.exciteで21時10分に計測した結果。
下り 11.38Mb/s
上り 32.5Mb/s
ASAHIネットに切り替えて21時13分に計測した結果。
下り 80.7Mb/s
上り 206Mb/s
同じPCや周辺機器、ほぼ同じ時間なのに、プロバイダによってこれだけ変わるわけです。
ちなみに、昼間調べた結果はこうなりました。
空いてる時はどこも早いんですけどね。
BB.exciteで15時4分に計測した結果。
下り 242.6Mb/s
上り 557Mb/s
ASAHIネットに切り替えて15時8分に計測した結果。
下り 504Mb/s
上り 428.4Mb/s
注意しなくてはいけないのは、私の地域の回線タイプ(埼玉県でフレッツ光ファミリーギガライン使用)では、たまたまBB.exciteが混雑していてASAHIネットが空いていたという事です。
他の地域では逆のこともあるでしょう。
両方混雑していたり、両方空いている地域もあるかもしれません。
遅いか早いかは自分が住んでいる場所で実際に試してみるしかないです。
ネット上ではどこどこのプロバイダーが早い遅いと書かれていますが、地域と回線のタイプによってかなりの差があるのです。
ネットで評判を調べるなら地域と回線のタイプで絞り込みましょう。
プロバイダーを試す時は「違約金」に注意が必要です。
下の方に小さく書いてあったりします。
キャンペーンや数年縛りで申し込むと、大体は違約金が発生します。
速度が遅かった時に解約できないと困るので、普通に契約するのがいいんじゃないかと。
うっかり違約金ありで申し込んだとしても、プロバイダーは複数契約できます。
ルーターの設定などで、使うプロバイダーを変えればいいだけです。
もちろん、2重に払う必要はありますが、どうしても我慢できない時は試してみては。
ちなみに、私は違約金の関係で一時的にBB.exciteとASAHIネットを同時契約していました。
違約金ありで解約するより、同時契約してでも違約金が無くなる期間を待ったほうが安いという判断です。
違約金の期間が終わったら即解約です。
「インターリンク」は最低利用期間や違約金が無いプロバイダーです。
1ヶ月単位で契約できるので、とりあえず何が原因かを知るためにも(PCやルーターの可能性もあるので)試してみてはいかがでしょうか。
月額も標準的なので、調子がいいならそのまま使い続けることもできます。
「BB.excite」も「キャンペーンで登録しなければ」最低利用期間や違約金が無いプロバイダーです。
1ヶ月が約550円と、フレッツ系のプロバイダとしてはおそらく最安値。
試してみてはいかがでしょうか。
有線LAN
LANカードとLANケーブルには規格があって、最高速度が決まっています。
早朝や昼間など、空いてる時間に速度調査しても10Mbpsや100Mbpsなどで綺麗に止まってしまう場合はこれが原因です。
まずは有線LANカード。
・10Base-T(10Mbps)
・100Base-T(100Mbps)
・1000Base-T(1Gbps / 1000Mbps / ギガビット)
という規格があります。
これはPCの説明書やカタログに必ず書いてあるので確認しましょう。
ネット回線が100MbpsでもLANカードが10Base-Tだと10Mbpsしか出ません。
ネット回線が1Gbpsでも100Base-Tだと100Mbpsしか出ません。
最高速度が遅い機器に合わせられます。
2021年の今でも、安いノートPCでは100Base-Tが使われています。
1Gbpsなどの高速回線にするなら1000Base-Tが必要です。
PCの場合はUSBをギガビット対応の有線LANに変換するアダプタを使うのが楽だと思います。
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忘れがちなのがLANケーブル。
LANケーブルにも規格(カテゴリー)があります。
・カテゴリー5(100 Base-T)
・カテゴリー6(1000 Base-T / 1Gbps / ギガビット)
・カテゴリー7(10G Base-T / 10Gbps / 10ギガビット)
ルーターなどに付属していますが、使われている規格がわからない事がほとんどなので別に買うことをおすすめします。
市販品のケーブルには規格が印字されているので、数年後に交換する時などでもわかりやすいですよ。
◆BUFFALO ツメの折れないLANケーブル カテゴリ-7 ストレート ノーマルタイプ(Amazon)
無線LAN
最近は無線LANで接続するのが主流ですが、これがなかなかのクセモノです。
無線LANにも規格があります。
2021年時点では、この6つが一般的。
・IEEE802.11a(11a) 最大54Mbps / 2.4GHz / 5GHz
・IEEE802.11b(11b) 最大11Mbps / 2.4GHz
・IEEE802.11g(11g) 最大54Mbps / 2.4GHz
・IEEE802.11n(11n) 最大600Mbps / 2.4GHz / 5GHz / Wi-Fi 4
・IEEE802.11ac(11ac) 最大6.9Gbps / 5GHz / Wi-Fi 5
・IEEE802.11ac(11ax) 最大9.6Gbps / 2.4HHz / 5GHz / Wi-Fi 6
大きく分けると2.4GHz帯か5GHz帯かです。
ただ、「11a」と「11n」の5GHzは普及しなかったので、実際は「11ac(Wi-Fi 5)」か「それ以外」の2択です。
「11ax(Wi-Fi 6)」は2019年に登場した新しい規格なので、2021年時点ではまだ普及していません。
今後、ルーターの買い替えが進めば普及していくと思われます。
2.4GHz帯は無線LANが普及し始めた頃(2000年台前半)から使われています。
さらに、電子レンジや電話などの家電、無線のマウスやBluetoothなどでも使われています。
そのため、他の機器からの影響を受けやすかったり、混雑しているので不安定になりやすいです。
障害物に「強い」です。
5GHz帯は11acが出てから普及し始めた(2013年頃)ので、まだそれほど使用されていません。
混雑していません。
障害物に「弱い」です。
例として自宅周辺の状況を。
2.4GHz帯は7つの無線LANが使われていました。
チャンネルがかぶったり混雑しやすいです。
さらに、ここへ家電などが加わるわけです。
5GHz帯(11ac)は自分しかいませんでした。
家電などでも使われていないので安心。
混雑の心配なし。
よくわからない時は「11ac」に対応している機器を買えば良いということです。
ただ、5GHzは障害物に弱く、電波が遠くに飛びにくいです。
冷蔵庫などの障害物が多かったり、1階から2階へ飛ばしたい時などは2.4GHz(11n)に切り替えたほうが安定するときもあります。
11acに対応している機器なら11nにも対応しているはずです。
注意点は、無線LAN親機(ルーター)だけではなくて、子機(スマホなど)もその規格に対応していないとダメだということ。
親機がどんなに早い規格を採用してても受けるほうが古かったりすると意味が無いです。
遅い機器に合わせられます。
PCの場合はUSB接続の小型な子機が売っていますが、PCと距離が近いのでノイズの影響を受けやすいようです。
USB延長ケーブルを使ったり、置き場所があるなら中継機のほうがいいかもしれません。
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ノートPCを使っている場合は買い換えたほうがお得かもしれません。
拡張性が低かったりバッテリーの問題もありますからね。
初めから内蔵されている方が楽です。
11acに対応しているかのチェックをお忘れなく。
スマホの場合は、あとから拡張などはできないので、買い換えるしかありません。
Android5.0以降の新しいスマホなら11acに対応していると思いますが、低価格帯のスマホには対応してないものもあるので仕様を確認しましょう。
規格の最大速度と実際の最大速度はルーターやスマホによって違います。
これはアンテナの本数が関係しているからです。
規格の最大速度はアンテナが4~8本の時の速度です。
スマホは内臓アンテナ1本が多いので、規格の最大速度は、ほぼ出せません。
例えば、私が使っているZenFone2というスマホ。
11ac対応ですが、リンク速度は390Mbpsです。
19時44分に計測。
下り 176.5Mb/s
上り 207.4Mb/s
わざと2.4GHzの11nで接続するとリンク速度は65Mbps。
19時46分に計測。
下り 49.6Mb/s
上り 56.2Mb/s
全て1000Base-Tに対応させたPCからの有線接続。
速度が1.0 Gbpsになってますね。
19時43分に計測。
下り 426.6Mb/s
上り 366.4Mb/s
有線と無線の差。
そして、無線の規格の差でここまで変わります。
自分が使っている機器の無線LANの規格を確認してみましょう。
電波の強さ
無線LAN(Wi-Fi)は、文字通り「無線」です。
ケーブルで機械を直接つなぐのではなくて、電波を飛ばしてつなぎます。
この電波ですが障害物の影響を受けたり、他の電波と干渉します。
そして遠くになるほど電波は弱くなります。
電波状況が悪いと速度が遅くなったり、切断されます。
1階はつながるのに2階はつながらない、壁に囲まれたトイレだけつながらない、などです。
携帯電話と同じですね。
それを改善するには「無線LAN中継機」を使います。
これは電波を強くしたり範囲を広げてくれる機械です。
電波が届きにくい場所を減らしてくれます。
無線LAN親機も設定を変えれば中継機として使える場合があります。
そのあたりは説明書を読んでみましょう。
ちなみに、ここでも上で書いた無線LANの規格が関係してきます。
中継機を経由すると、中継機で使われている規格しか使えません。
昔の余っている親機を使うこともできますが、11acに対応していないなら書い直したほうが良さそうです。
◆BUFFALO WiFi 無線LAN 中継機 WEX-1166DHP2/N 11ac 866+300Mbps コンセント直挿し/据え置き可能モデル(Amazon)
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ルーター
有線LANでも無線LANでもルーターが大事です。
総合力が求められます。
1Gbpsの回線を有線LANで使いたいなら、有線LAN部分(ハブ部分)が1000Base-Tか確認。
無線LANなら11acに対応しているか確認です。
それを考えると、2021年3月時点ではこの2機種が値段的にもバランスがいいんじゃないかなーと思います。
このページでも書いているように無線関係(インターネット関係)はとても複雑でいろいろな要因があります。
つながらない、途切れる、遅いなどなど評価がバラバラだったりしますが、その実際の原因がルーターなのかプロバイダなのか使用者なのかわかりません。
評価はあまり気にせず、実際に使ってみるしかない!
ダメなら返品すればいいだけです。
◆バッファロー WiFi ルーター 無線LAN Wi-Fi6 11ax / 11ac 2401+800Mbps WSR-3200AX4S(Amazon)
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ルーターは1年くらいで新機種が出るので最新の売れ筋はこちらでどうぞ。
値段だけに釣られず、LAN規格の確認をお忘れなく!
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光ケーブルをチェック
家具に押しつぶされた、折り曲げすぎた、足を引っ掛けた、ペットに噛まれたなどなど、光ファイバーケーブルが破損している場合があります。
そんなに多くはないと思いますが、確認してみましょう。
この場合はNTTなどに電話して交換してもらいます。
もちろん有料です。
屋内ケーブルの場合は自分で交換することもできますが、自己責任でどうぞ。
インターネット回線自体を変える
ここまでやってもダメなら、最終手段としてインターネット回線自体を変える方法があります。
・So-net 光 (auひかり)
最大5Gbps/10Gbps。
スマホもauならお得。
KDDI系列
・NURO 光
対応地域は少なめ。
下りが2Gbps。
SONY系列
・CATV(ケーブルテレビ)
基本的には1地域に1つしかない。
その関係で、速度や値段は地域によってかなり違う(会社自体が違う)。
どちらかと言えばTVがメインで、TVとネットが一緒のパックだとお得。
・携帯の4G / 5G回線をテザリング
最近のモバイル回線は早くなりました。
場所にもよりますが、ドコモ4Gでも実測で30~40Mbpsくらいは出ます。
費用もモバイルと合算できるので無制限プランだとしても高くはない。
ただ、テザリングするためのスマホや料金プランの理解が必要です。
今ならこのあたりでしょうか。
固定回線の場合、どれも工事が必要で時間がかかります。
工事費もかかりますが、大体はキャンペーンで安くなっていたりします。
その代わり、辞める時の契約解除料(解約撤去費)は高め。
使わなくなるプロバイダやNTTのフレッツ回線を解約する場合は、違約金などが発生する場合もあるので注意です。
さらに、ひかり電話やフレッツ・テレビなどの付属サービスを使っていると面倒そうです。
なかなかハードルは高いですが、フレッツ(NTT系列)と比べれば使用者が少ないので回線が安定しているというメリットもありそうです。(地域にもよります)
プロバイダを変えてもダメだったら検討してみては。
特に、一部地域でしか使えない「NURO光」。
このページにも書きましたが、ネットが遅くなる原因は人が急に多くなることです。
NURO光は導入のハードルが高めなので急増しにくいと思います。
さらに、元々のスペックが「下り最大 2Gbps / 上り最大 1Gbps」なので、多少速度が落ちたとしてもまだまだ早いと。
実測でも、早ければ有線LANで700Mbpsくらいは出るそうです。(無線LANは機器の制限で最大450Mbps)
LANカードやケーブルなどを買い換える必要が出てくる速さですね。
しかも、プロバイダと一体型で別の料金は発生しないので、毎月の料金はNTTのフレッツ光よりも安くなります。
まとめ
簡単なチェックの流れとしては
使用機器の有線LANや無線LANの規格を調べる
↓
ケーブルが破損していないか調べる
↓
プロバイダーの変更
↓
インターネット回線の変更
という感じですかね。
ほとんどはプロバイダーを変更すれば解決すると思います。
ただ、それでずっと安心かというと、そうでもないのが困りどころです。
例えば、3月は引っ越しやプラン見直しのシーズンです。
今までは安定していたのに、一時的に一部のプロバイダーや回線に集中してしまい、混雑するところもあるでしょう。
ちゃんとしたプロバイダーなら回線の増強をすると思いますが、それでも数ヶ月かかると思います。
そういうこともあるわけです。
インターネット回線。
なかなかうまくいかないものです。
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